十文字掌編小説ぶろぐ

べんべんとした日常に豊かな物語を。短くたって構わない。豊かなものでさえあれば。 不定期の更新です。月3回を目標に。

カテゴリー "プレゼン" の記事

『記念記事③』

さて今回は、詞や名言など紹介していこうと思います。


まずはこちらの詞。
立原道造詩集 (岩波文庫)立原道造詩集 (岩波文庫)
(1988/03/16)
立原 道造

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この一冊の中に『のちのおもひに』という詞があります。
以下青空文庫より引用。

夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた午さがりの林道を

うららかに青い空には陽がてり 火山は眠つてゐた
――そして私は
見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を
だれもきいてゐないと知りながら 語りつづけた……

夢は そのさきには もうゆかない
なにもかも 忘れ果てようとおもひ
忘れつくしたことさへ 忘れてしまつたときには

夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう
そして それは戸をあけて 寂寥のなかに
星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう


詞に関しては全くの専門外なのですが、一応文学部出身なので学生時代にいくつか触れる機会がありました。詞は詩人と作品が深く関連しているものが多い印象があります。
一概に《夢》といっても様々表現ができます。希望に満ち果てていたり過去の思い出だったり、はたまた妄想であったりと。『のちのおもひに』では晩秋から師走へと季節の変化とともに《夢》に比喩表現を用いて、その儚さを詠っています。
自分の人生の晩年に《夢》の捉え方がどう変わるのか興味深いものです。


続いてはこちらの名言。
野原ひろしの名言 「クレヨンしんちゃん」に学ぶ幸せの作り方野原ひろしの名言 「クレヨンしんちゃん」に学ぶ幸せの作り方
(2014/04/23)
大山 くまお

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私の中では、クレヨンしんちゃんは少し言いすぎかもしれないですが人生の教科書的な存在になってます。中でも野原ひろしは、理想的な父親像です。
その名言のひとつに「単純に生きるほうが難しいんだ。」とあります。
この言葉を聞いて以来、単純におもしろいとか単純に楽しいとか、その単純さを創作しているうちに忘れてしまいそうになり、時々思い出すようにしています。
単純に生きていければ、幸せかもしれないですね。


最後に、私のこれまでの人生の中で、最も影響を受けたと思われる経験を少し綴ろうと思います。
あれは中学三年の秋。
部活動を引退し、高校受験のため学習塾に通っていた時期がありました。
当時はまだ小説自体に強い興味があったわけではありませんでしたが、少しづつ興味の糸を手繰り寄せているような時期だった気がします。
そんな時、塾の片隅に山積みされていた古本を好きなだけ持って行っていいという塾長の計らいで、私はその中から何冊かの本を選びました。その一冊にカバーのついておらず、表紙にも何の印刷もされていない本がありました。サイズは文庫本程度のもの。栞紐もついてはいたのですが、数100頁にも及ぶ全ての頁には、何一つ文字が書かれていませんでした。
これは本なのか、手にとった時は首をかしげるだけでした。ただ、どの他の本よりも私の興味を引きました。題名も表紙も目次も裏張りも何一つ無いのに、いえ、何も無いからこそ、その本には自由に想像する魅力をそこに綴ることで知ることができる、そんなものなのではないかと。その本との出会いが自分自身が物語を綴ることへの布石となったのかもしれないと思うと、塾長には感謝です。
その本は今でも手元にあります。当然そこには何も書かれていません。いつかそこに物語を綴る日が来るといいですね。

ただこの間、文房具屋でその本ととても良く似たメモ帳を見かけたのですが、私は何も見なかったことにしました(笑)。


さて、しばらく小説の更新をしていませんでしたが、12月からはしっかりと目標を持って更新していきたいと思います。
またこの記事を区切りに私《しょーと》というペンネームを《十文字 兄人(じゅうもんじ しょうと)》改めようと考えています。同時にブログタイトルも変更します。
今後とも当ぶろぐをよろしくお願い致します。

『記念記事②』

前回に引き続きまして、私が影響を受けた作品を紹介していきたいと思います。今回は、映画・アニメ・漫画です。
※今回も少しだけ内容に触れることがございますので、ご了承下さい。

まずはこの作品。
ベンジャミン・バトン 数奇な人生 [DVD]ベンジャミン・バトン 数奇な人生 [DVD]
(2010/04/21)
ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット 他

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老人の姿でこの世に生まれて年をとることに若返っていく、まさに数奇な人生を送る男の物語。この物語はファンタジーではありますが、人生の中で出会いを大切にする。それが母親であり恋人であり友人であったり。それを再認識させてくれます。
悲劇的な人生は、よく物語として描かれますが、大抵の物語とは人生の悲劇的な一部を切り取ったものに過ぎません。人の人生を零から百までを描いた作品はあまりありませんが、この作品に限って言えば零から百まで描いています。私には一生かかっても描けそうにないです。


続いてはこの作品。
PSYCHO-PASS サイコパス VOL.1【Blu-ray】PSYCHO-PASS サイコパス VOL.1【Blu-ray】
(2012/12/21)
関智一、花澤香菜 他

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こちらは現在第二期が放送中のアニメです。SFは世界観の設定が難航で、私自身では絶対に描けそうにないジャンルなので、鑑賞者の立場では好んでいます。
シビュラシステムというものに心理状態を常に監視された世界で、犯罪のない社会が成立していた。そのシステムに抗う者と従う者が対立していく物語。
未来の警察ものと言ったらいいのでしょうか。このアニメのような生活の全てをシステムつまりアンドロイドに頼った世界もそう遠くもないのかもしれません。今でもアンドロイド無しでは生活できない人がほとんどじゃないかと思うんです。いつの日かアンドロイドに人間が支配される世界が来てしまうのかと思うと少し恐ろしいですね。上手に共存できればいいのですが。
アニメの登場人物たちが語る台詞には、今のアンドロイドに頼った生活を揶揄するようなものがあるのですが、とても考えさせられます。


続いてはこちらの作品です。
史群アル仙作品集 今日の漫画史群アル仙作品集 今日の漫画
(2014/10/10)
史群 アル仙

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1ページで完結する漫画の作品集です。掌編小説を書いている私にとっては、まさに教科書的な存在になってます。一話一話に心揺さぶられるものがあり、独特な世界観に魅了されました。
自分にも画才があればと、何度思ったことか。


最後はこちらの名作。
NARUTO (巻ノ1) (ジャンプ・コミックス)NARUTO (巻ノ1) (ジャンプ・コミックス)
(2000/03)
岸本 斉史

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出会いは中学生ぐらいでしょうか。長く続くというのは本当に難しいことだと思います。
NARUTOは王道の少年漫画と言われていますが、大人になってから読み返すと、物語の奥深さにいつのまにか心惹かれていました。一途に思い続ける勇気や復讐の連鎖、生と死など少年の心では理解しにくいものがテーマとなっているようにも思えます。特に少年漫画で主要人物の死を描くことは勇気のいるものです。多くの人々に愛されている作品ほど尚のことです。それを厭わず描いてしまう岸本さんは流石だなとと思い知らされます。

えっと、これ以上語ってしまう長くなってしまうので、今回はこの辺りでやめときます。
さて、次回は名言・詞・実体験などから影響を受けたものを紹介していきたいと思います。

『記念記事①』

今月でブログ開設から一年が経ちます。この一年で作品数は51、予定していた目標には届きませんでしたが、自分でもよく続いたなと、感心しちゃいます。
当ブログは、私しょーとがべんべんとした日常に物語を。と始めて掌編小説を書き下ろしています。ブログと言えば一般的に自信の日常などを綴ることが多いのですが、私はこれまでほとんど行ってきませんでした。ブログの管理人(著者)がどんな人物なのか、興味のない人の方が多いとは思いますが、一周年を記念に少しだけ自己紹介的な記事を書こうと思い立った次第です。
そこで何を書こうかと思案した結果、自身がこれまでの人生の中で影響受けた作品を紹介しようということに決めました。この記事を読んでその作品に、また私自身に興味を抱いて頂けたら幸いです。
※少しだけ作品の内容に触れるものもありますが、ご了承下さい。

第一回目は、小説と絵本です。


まずはこちらの作品。
新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)
(1989/06/19)
宮沢 賢治

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初めてこの作品を手にしたのは中学生の頃。当時は殆ど小説なんて読んでいなかった私ですが、表題作である『銀河鉄道の夜』に登場するジョバンニという名前だけが薄雲の向こうに微かに見えるか星々のようにぼんやりと印象に残っていました。
そして大学生の時に改めて手にした時、なぜか表題作ではなく『よだかの星』という作品に私は魅せられました。みにくいよだかが哀しみの果てに星へとなる物語。この物語のラストをどのように読み手が捉えるかで、作品への印象が全く違うものになる。そんな作品です。私はよだかは救われたのだと思っています。


続いてはこちら。
ノックの音が (新潮文庫)ノックの音が (新潮文庫)
(1985/09/27)
星 新一

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星新一という作家を知ったのは、恥ずかしながら大学生の頃。ショートショートの神様と呼ばれていることもその時知りました。そして初めて手にしたのがこの作品。表題の『ノックの音が……』という冒頭から始まる物語が15作収録されています。
中でも私は『和解の神』と『計略と結果』という物語が好みです。もちろん他の作品も魅力的なものばかりです。星新一作品は、まだあまり読み込めていないので今後出逢う作品に期待をふくらませております。


続いてはこちらの絵本。
星の王子さま (新潮文庫)星の王子さま (新潮文庫)
(2006/03)
サン=テグジュペリ

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こちらは名作ですね。冒頭のゾウを熟しているウワバミやヒツジの絵を描くお話は有名ですが、私が好きなのは酒びたりの男が出てくるお話。王子さまが最後に〈おとなって、やっぱりすごく変だ〉と思うのですが、おとなになった今でも私自身おとなは変だなって思うことは多々あります。そもそも変ではないおとなはいないような気もします。
また、この一文はこの物語全体を示唆しているものだとも思うのです。


続いての作品は、少し思い出深い作品です。
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
(2008/07/29)
道尾 秀介

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道尾秀介という作家をご存じの方がどれほどいるのかわかりませんが、私が最も敬愛する作家でもあり、物書きをしたいを思わせてくれた作家さんでもあります。
『向日葵の咲かない夏』は現在100万部を超えるベストセラーとなっており、私が初めて手にした道尾作品でもあります。この作品は著書の中でも賛否が大きく別れる作品でもあり、本屋で偶然出逢い心惹かれたのは、本当に運が良かったと今でも思います。
作品に惹かれたのは初めて通読した時に、その反則的なトリックに文章だけでここまで裏切られた(もちろん良い意味で)のは衝撃的で、文章だけでこんなにも自分の心を掴んで揺らされたのは初めてでした。そしたら不覚にも自分でも書いてみたいと思ってしまいました。また、この物語のラストシーンにおいては様々な考察がされていますが、道尾さんの小説には必ず〈救い〉が描かれている、そう勝手に信じているので、この物語の主人公ミチオも最後には救われたのだと信じて疑いません。


最後にこの作品。
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
(2008/12/25)
森見 登美彦

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森見さんの文体は独特なものがあり、慣れるまでには少し時間がかかりました。しかし、慣れてしまうとその世界観の魅力に肩口までどっぷり浸り、今では愛読書の一つです。
また世界観も魅力的ですが、その登場人物に私は注目しました。特に女性。『夜は短し歩けよ乙女』では、黒髪の乙女の天然と言ったらいいのでしょうか、何色にも染まらない彼女の醸し出す雰囲気に、私は正直惚れてしまいました。他にも森見さんの作品で登場する女性(明石さん、弁天、海星、羽貫さんなど)はどなたも惹かれます。


今回の紹介する作品は以上です。
その他に影響を受けた作品はありますが、全てを紹介することは難しいのでご了承下さい。
次回は、映画・アニメ・漫画などをご紹介できたらと思います。
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